第五科 書

馬場紀行ばば のりゆき

無鑑査

木洩れ日の

70×174

作家のことば

 初夏の緑濃き森林は爽やかで、ふと耳にした鶯の鳴き声は心地良く今も心象に残る。自詠を書く事は運筆の度にその時々の情感が甦り枚数を重ねていくと文字が言霊となっていく。大字仮名は墨の潤渇、文字の大小、粗密感、行の響き合いが要求され、尚且つ文字の選択により見え方が一変するので面白く難しい。