第五科 書

尾﨑之搨おざき しとう

特選

呉偉業詩

230×52

受賞理由

 西周金文の典型的な雅健の風趣に焦点を定め、客観的で安定した字形をベースに、抑制の効いた変化と、充実した線質、練り上げられた余白の効果が相俟って、シンプルがゆえに格調高い秀作となった。

作家のことば

 作品制作にあたっては、慣れ親しんで力を発揮しやすい二×八尺、三行の形式により、潑剌として生気に満ちた大盂鼎を中心とする西周金文を念頭に、勢いがあって、明るく落ち着いた作品を目指しました。制作途中で、線が凝ったり、作品全体が凋んだりしないよう新鮮な気持ちを持続させるよう努めました。

〈釈文〉蛾眉馬上傳呼進 雲鬟不整驚魂定
蠟炬迎來在戰場 啼粧滿面殘紅印