第五科 書

北山転石きたやま てんせき

特選

屈大均詩句

109×35×3

受賞理由

 明末清初期の屈大均の詩句を古代文字で揮毫した作品である。古代文字特有の造形の妙を活かし、深みのある勁い運筆で一気呵成に書いている。余白も美しく、金石の気あふれる力作である。

作家のことば

 金文を用いた作品を書き続けて四十年以上が過ぎましたが、ここ最近になってようやく自分の作品に対する思いやイメージを平常心で表現できるようになった気がします。日展は私にとって力だめしの場であり、これからもこの姿勢を忘れることなく、平常心で筆を持ち続けたいと思います。

〈釈文〉揮鞭控鳴鏑 龍騎如星流
超山逐群獸 穿雲落兩鶖
歸來宴吹臺 酣舞雙吳鉤