第五科 書

小林千早こばやし せんそう

特選

蘇東坡詩

227×53

受賞理由

 中国の石刻と拓本の研究を通し培った碑面の姿を意識し、明清の行草を多字数で表現した。書出しから最後まで一貫した作に仕上がって心地よさを感じさせてくれる。

作家のことば

 縦長の用紙に、水が流れるようなイメージで書いた作です。
 それは大河の豪快な流れではなく、深山の水底の小石が見えるような細流の雰囲気を心がけました。そこに、明清の連綿の意識を加味し、小さな文字ながらも大小感や方向性の統一と変化を工夫いたしました。

〈釈文〉小池新鑿天雨一部鼓吹從何來有蟾
正碧亂草色時泅出没東南隈井幹跳
梁亦足樂洞庭魚龍何有哉能歌徳聲
莫入月清池與爾倶忘囘夜來誰共汎
(以下略)