中室舟水
特選
鎌倉殿の和歌
27×350
受賞理由
古典に立脚した表現。元永本古今集を基本に、今まで学んだ古筆の要素を表現し、和歌の心情を料紙の唐紙に線の細太、墨美等で全体構成の中に行書き、散らし書で空間が美しい遠近感を表出し品位ある作品。
作家のことば
鎌倉幕府三代将軍頼実朝の歌集「金槐和歌集」より選歌。元永本を基本にさまざまな古筆の要素を加味して書作しました。墨色を生かすために白地の唐紙のもみ紙に、墨の濃淡と線の太細を感情的に、和歌の心情や季節の移ろいを構成に載せ、ちらし書きの空間と行書きの組み合わせ等で遠近感や立体感を紙面に表現してみました。
〈釈文〉うめがえにこほれるしもやとけぬらむ
ほしあへぬつゆの花にこぼるる
やまふかみたづねてきつるこのもとに
ゆきとみるまではなぞちりける
(以下略)